軍のネットワーク網、使番
よくドラマ等で武田軍の兵隊で背中にむかでのマークがついた旗を指して馬で駆け回っているシーンをみたことありませんか?あれが使番と言われている者達です。
使番は伝令役と解釈すれば、その職務内容がすぐにわかると思います。当然この役職も大変重要で、平時、戦時中共に大忙しになります。とくに戦争が勃発するかしないかの瀬戸際の際には、使番は各地を飛び回ります。
使番は主将の意向を自勢力化にある領主や国人衆達に正確に伝えます。また他国で見方になってくれそうな勢力にも勧誘や脅迫といった形で、交渉の役も担うので、人選は誰でもいいというわけにはいきません。他勢力との交渉に当たる際まず手紙にてその概要を伝えるのが一般的でした。しかし、手紙には必ずといっていいほど「詳しい詳細については、使いのものより口頭で伝えます。」と書かれていて、これは手紙自体が奪われ情報が漏れることを避けるためで、具体的な交渉や脅し勧誘は使者が直接行うので、この役回りをこなす人物はそれ相応の人物でなければできません。平時であってもこの段階から、戦いが始まっていると考えると、この使番の役割の重要性が伺いしれます。
戦闘中にあっては、主将の命令を各隊に伝言します。これは主将が思惑通りの戦いを展開するには、この伝達が、いかにうまく軍のなかでネットワークとして機能しているかにかかっていて、スピードと正確さが要求されます。
この使番ってドラマなんかでちょこっとだけ出てきたりするので、どうしてもただの使い走りに見えてしまうので残念なのですが、裏方役でありながら、軍の中での重要性はピカイチなのです。時代が進んだ現在ですら、この伝達システムがずさんでダメな会社っていっぱいありますよね、この中世のころの各勢力はこの伝達システムを徹底していていました、これがうまく機能しなければ、滅亡なのです。