御膳奉行

乱世のコックさん

軍の組織 編成 役職

御膳奉行という役職がありますが、この御膳奉行というのは江戸幕府での役職で将軍や大名クラス専用のコックさんです。毒見や試食等もする係りでした。徳川家康が伊達政宗に進められて始めたらしい。正宗は食通で有名ですよね。

これは、時代が平時へと向かっていく中で出来た役職だが、そのルーツは以外と古く室町時代からある。一般の武士クラスでは、食事の用意をする者を雇い主に夫丸や小者達である。これが身分の高い武士になると、自分専用の食事全般の世話をする者を置いておく。さらに主将クラスになれば人数が増え、食事用具や食器を常に揃えておく者や、調理人を管理する者がいた、これを台所頭と呼んでいた。彼らは、平時のときはもちろん、戦の際には一緒に従軍します。

人間の食へのこだわりは強く、現在でもあそこの店が旨いと思えば、平気で2時間3時間並ぶ方がいます、(管理人は無理ですせいぜい30分)それだけ食というのは人間にとって魅力的で、引き付けられるものです。なので腕のいい調理人、コックさんはいろんなお店から重宝がられますし、自らが店を出して大儲けする人も沢山います。料理人はその腕一本で世の中を渡り歩いていける、強力なスキルなのです。乱世の時代でもそれは同じで、どこどこにいる者の料理は絶品だという話が主将クラスの人間の耳に入れば、「連れて来い!」となり、その本人が望んでいるかどうかは別にして、高待遇で召抱えられる可能性があるわけです。

このように食事には、大変こだわっていたことが伺えます。これは当たり前のことで、中世の混乱や戦争はそもそも人が飯を食うために戦っていたからです。食い扶持をいかに増やすか、これが根底にあり食を豪勢に楽しんで、味わいたいとうい要求は、人間が死にたくないという要求と同義なのです。