戦国期を描いた古画に見られる鎧や兜。なんか違うぞ?

戦国期の人物の鎧がなんか違うぞ?

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鎧 兜

イラストは昔の絵師達が描いた人物画を模したイラストです。下手で申し訳ないが、本物は素晴らしいです。

こういった人物画が現在にも現存しているが、江戸時代に書かれた物が多いらしい。左)武田信玄、右)池田恒興(つねおき)です。人選は適当です。戦国時代に活躍した人物です。

当然この他にも沢山の絵があり皆さんもご覧になった事があると思います。

戦国時代に活躍した人物画あるいは、戦いの様子を描いた絵を見ると、おや?と思う事がりませんか?戦国時代であるにもかかわらず。

多くの古画に見られる人物のその姿には鎧、兜が描かれているが、皆大鎧タイプの甲冑を着ているのです。これ、なんでかな~と思ったことありませんか?

特に安土桃山時代の武士達が使っていた鎧や兜は、いわゆる当世具足といわれるタイプを使用していました。

もし当時にカメラがあり写真が残っていれば、古画に見られるような、大鎧を着ている人はまず居なかったでしょう。

正確さよりも演出と効果を優先させたのが当時の絵画

しかも絵の多くは正確な大鎧ではなく、当世具足と大鎧を混ぜ合わせた物になってしまっています。

これは古き時代への習慣に対しての尊敬と憧れからくる概念がそうさせていたのだと思われます。まあ砕いて言うと、そのほうがかっこいいとか威厳があるとされていたのでしょう。

本多忠勝は自画像を書かせる時何度も書き直させたらしい。最終的には兜は当時のものに近い状態で書かせ、胴体部には当世具足と大鎧の混同した物が描かれている。

大鎧

ただ現在ほど鎧や兜の研究が進んでおらず、絵師達も昔使用されていた大鎧を想像で賄う部分が大きく正確には把握していなかったと思われます。

本多忠勝のエピソードから想像できると思いますが、この当世具足と大鎧の混同した書き方がスタンダードになっていたようで当時の絵画の流行だったようです。

命一杯かっこよくしようという事なんでしょうね。

ここではリアリティー云々の話はナンセンスで、いかにその人物に威厳や風格を出すか、戦いの様子を印象的に伝えられるかといった当時の絵描き達の工夫なのです。

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