戦国武将達の残したありがた~い言葉。でもなかなか真似できないよねの言葉。(信玄編)

競争社会で生きる私達

軍の編成 組織 役職

女性の社会進出が多くなってきた昨今ですが、会社等の組織の中で女性が何かしらのプロジェクトリーダー、あるいは役職に付き部下を持つ立場になる方が増えてきてると思います。

競争社会で生きる私達

しかし、この立場になり、いかに仕事をうまく回し成果を上げることが難しいかを実感するのではないでしょうか?これは男性であろうが同じ道を辿ると思います。そんな時どうしますか?先輩にアドバイスを求める、部下の意見を聞いてみる、方法は沢山あると思います。中には書店に行き自己啓発本やビジネス書を買いあさり勉強するのではないでしょうか?

管理人は結構自己啓発本は好きで、読んでる方だと思いますが、実は鵜呑みにはしてないのです。というよりほんと参考程度です。書店に並ぶ自己啓発本の類はほんと沢山あります。しかしその殆どは昔の人が書いた焼き直しというか、少し言葉や表現を変えて書いてあるあるだけで、内容はたいして変わらないと言うのが管理人の感想です。

これら自己啓発系、ビジネス書のパイオニア的な存在といえば、ナポレオンヒルやデールカーネギーらがそれに該当する人物だと思います。

しかし、実際の現場では不足の出来事が大量に起こります。一人のリーダーが頭の中でシュミレーション出来る事などたかが知れていますよね。現場は刻一刻と状況が変わって行き目まぐるしいのが現実で本の通りにまず事は進まないでしょう。

これら、すべての事の根底にあるのが人間学だと思います。人間の行動、思考、思惑が複雑に交差し絡まり合うからこそ、皆悩み、苦悩するのではないでしょうか?

私達は激しい競争社会での生活を余技なくされています。戦国時代、そこに生きた戦国武将達も厳しい競争社会の中にいました。今でもその名が残る人物達は非常に感慨深く、はっとするような言葉を後世の私達に残してくれています。

武田信玄も苦悩していた。

そこで紹介したいのが武田信玄です。また信玄かよ~と思ったそこの人、そう言わずにちょっとだけお付き合い下さい。

信玄は軍人としての一面の印象が強くその部分をピックアップされる事がおおいように思いますが、信玄さんはとても沢山本を読んでいたようです。そこに自らの経験した悟りを乗っけた信玄哲学は非常に魅力的です。

信玄の人生は華麗ではなく、むしろどん底に突き落とされ這い上がり、どん底に突き落とされ這い上がりの繰り返しで、領国経営に苦悩した人でした。現代でいえば苦労が多かった経営者です。

その信玄の言葉には重みがあり、現在の私達に教えてくれる教訓があり、偉大な人物でもこういった事に腐心していたのだなと、教えてくれます。

そこでちょっと、会社で部下を持ったり、会社でなくとも学校の行事や部活等のリーダーをする事になった人に役に立ちそうな信玄さんの言葉を紹介します。

-「いやしくも晴信、人のつかいやうは、人をばつかはず、わざをつかふぞ、また政道いたすも、わざをいたすぞ、あしきわざのなきごとくに、人をつかへばこそ、心もちはよけれ、なかんずく晴信、ひとの見様は、無心懸(むこころがけ)の者は、無案内なり、無案内の者は、ぶせんさくなり、ぶせんさく成者は、必ず慮外(りょがい)なり、慮外なる者は、必ず過言を申す、過言申す者は、必ず奢(おごり)易く、めりやすし、おごりやすくめりやすき者は、首尾不合なり、首尾不合なる者は、必ず恥をしらず、恥をしらざる者は、何に付いても、皆任るわざ、あしき物なり、左様の者なり共、其品々につかふ事は、国持大将の、ひとつの慈悲なり」- by信玄

人間は感情で動く生き物であるから、好き嫌いがさきにたってしまい、気の合うものとしか付き合おうとせず、上に位置する人間は本能で自分の好きな人間を側に置きがちだ。それにより能力があるのに、自分の嫌いな人間は遠ざけてしまう。これはよろしくない。好き嫌いではく、人のわざ、能力を使えと信玄は言っています。

この言葉にはハッとさせられます。気が合う人と居た方が楽ですもんね。「いやしくも晴信、」と謙遜なさっている所が素敵です。

-「馬が多いといっても、能(よ)き馬を見知る者は少ない。よき馬がうもれていたずらに日を送っているのは、結局、その国の大将が悪いからだ」

「噛む馬は、しまいまで噛む」=身についた悪い癖は簡単にはなおらない。

「人食う馬にも合口」=人に噛み付く気性の荒い馬でも必ず気の合う者がいる。

「悪性の馬でも使い方で役に立つ」 「名馬にも癖あり」- by信玄

これ馬の事をいっていますが、実は人間の扱い方を遠まわしに表現しているのです。当時の馬は必需品で人間の生活に溶け込んでいます。人間の様を馬で例えている人間学です。

-「第一に人間の後ろ暗いもの、陰日向(かげひなた)のあるものをつくってしまっては駄目だ。これはたとえば忠功の穿鑿(せんさく)をよく判断せずに、一律に領地をあたえてしまうと、よく起こる問題だ。本当の手柄ないものは、そため必ず軽薄をもって、上辺をつくろい、おつ追従(ついしょう)などいって誤魔化そうとする。また、本当の忠節や忠功の人をそねみ、悪口をいって、自分に都合の好い仲間だけを誉めてしまう。」- by信玄

耳が痛いお言葉です。思い当たる節が・・・・。この言葉なんかは、現代の私達が所属する組織にそのまま当てはまる言葉ではないでしょうか?

経営者が一律に賞与を配分しようとします。これは一見公平に見える処置で、手っ取り早い。本当に組織にとってプラスとなる仕事をしていた者と、何の実績も上げない口上手の世渡り上手が同一の評価がされることになる。自分をヨイショしてくれる人間は側において置くと心地がいい。しかしそれは絶対にだめだと信玄さんは言い切っています。

経営者に限らず、部下を持つポジションにいる者は部下を評価しなければなりません。

部下達の働きを厳密に審査した上で働きに応じた評価を下すべきで、おべっかで近寄ってくる者には、耳を傾けるべきでは無いと言っています。これは優秀な功績を挙げ、会社に利益をもたらす人間のやる気を添いでしまい、組織の衰退を招くからでしょう。

信玄のこういった厳格で、邪な者を側に置かない態度が、甲州軍団を担う戦国武将達のモチベーションを最大に高め、信頼すべき主であると必死に働いてくれたのでしょう。

よくライバルとして登場する上杉謙信さん。彼は信玄に比べると、自分の信念と直感、才覚で突き進む「俺について来い!」みたいな天才肌的な素養が多分に含まれていたような気がします。方や信玄さんは、勉強→実行→失敗→勉強→実行→失敗を繰り返した典型的な努力型な人間だったように思えます。

信玄さんの言葉にはなんとなく綺麗ごとだよ!といった胡散臭さがなく思えるのは、やはり彼の人生が波乱万丈でその苦悩の中から作り上げられた哲学だからでしょう。

-でもね、いざ仕事となると、こういった有難いお言葉は頭のなかからすっぽり抜けてしまう。-
by管理人

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