庶民、農民達の唯一の損失補填
運悪く自分達の地域が戦場となってしまった場合、その付近の民衆達は、財産を埋めたりして、城や、山に逃げ込みます。山や山林に逃げ込んだ者達は、戦が行われている様子を眺めています。またわざわざ、付近の者でない者たちもかなり集まってきます。
これは、ただの野次馬ではなく戦が終わるタイミングを見計らっているのです。
戦の形勢が大方決まってくると、片方は逃げ退却を始めます、もう片方は追撃戦を始めます。ここがポイントで完全に戦が終了すると勝った方の軍が、戦場で死体から甲冑や武器類や金銭等を戦利品としてあさり始めます。
軍が追撃戦に夢中になっている時がチャンスで、庶民達はこのタイミングで戦場にやってきて、死体から、甲冑、武器類等、金になりそうな物は根こそぎ、剥ぎ取ります。追撃部隊が戻ってくると、殺されてしまうので、戻ってくる前にさっさと、切り上げるのです。
こうして、拾ってきたものを使用可能なものはつなぎ合わせて甲冑を作り直したり、武器類なども修理できるものは修理し、その専門の職人に売り払います。
又戦場で死体から金目の物を奪う以外にも、逃げる敗軍側の兵隊を追廻したり待ち伏せをし、落ち武者狩り(詳しくは⇒)も行います。
こうして、村、村落の損失を補います。しかし、これも命がけで簡単ではありません、武士達はこうした、庶民、農民の行動を当然知っているので、戦場で戦利品を持っていかれないよう眼を光らせています。
なんの保障もない農民達の損害を唯一補ってくれるのが、この戦場荒らしでした。しかし、これらの行為は禁止行為、盗みとして処罰されます。
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