戦時下での農民、陣人(夫丸)は影の大功労者

陣人(夫丸)とは?

桜 月

近世、いわゆる戦国時代辺りなってくると、農民の徴収はかなり厳しく取り締まられようになり、管理されていたようです。各々その国によって、税率が事細かに定義され、領内の農民達はそれにあわせて、人員や馬、食料を提供しないと罰せられます。

働いても働いても、領主からの多額な租税、家の働き手を戦場に駆り出される、しかも家の主が戦死してしまっても、なんの保証もない・・・・・いかに過酷な生活だったのかが、伺えます。

因みにどうしても家の主を戦場にいかせたくない場合、自腹で銭や俵を捻出し、代理人に依頼するケースもあったようです。これがいわゆる、傭兵といった人達です。

当時、徴兵された農民達以外(足軽級)の他に陣人(夫丸ともいう)と呼ばれる者達が多く徴収されました。雑兵物語にはこの夫丸の様子が詳しく描かれています。

武士の裏で、戦場では大活躍

この夫丸は足軽兵など槍、刀を持って直接戦闘をするメンバーと違い下級兵と見られていたようで、小荷駄隊(詳しくはこちらの指揮官の下に配属される。

荷駄隊は軍事物資、食糧を運搬する大変重要な隊でこれを敵方に襲撃され全滅すると軍は軍を維持できなくなるため、一般的に荷駄隊の指揮官は優秀で老練な人物が適用される。

戦闘部隊ではないため(例外もあります。)、本軍との距離感を絶妙に保ちつつ尚且つ敵軍に見つからないように、あるいは見つかってもしたたかに逃げ回り敵軍から軍事物資を守る為の部隊で、軍の生命線なのです

また、このほかにも、夫丸の仕事は多岐に渡ります。荷駄隊の輜重(しちょう*輜重兵と呼び、前線に食料を運搬する、兵隊のこと)役もこなしたり、設営工事等にも従事した。

設営工事は広く用途があり、たとえば、仮城、仮砦など急きょ現場で兵を駐屯させる場所を設営したり、軍を渡らせる橋をつくったり、あるいは川を塞き止める工事をしたりなど、建築技術や川や海、天候の機微に精通した、農民達やその専門知識をもった技術者たちでなければこなせない仕事が沢山あったのです。

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こういった作業は武士には出来ない作業で、彼ら夫丸の力が必要だったのです。

将兵達は勝つ為にあれやこれ思案します。しかしそれを実際にできるように、兵達がその作戦の通りに戦闘を進めるためには、夫丸の存在が居てこそなのだ、逆に考えると戦闘を有利に、兵士達が戦いやすい環境を創るには、将兵たちがいかに夫丸を効果的に活用できるかにかかっているのです。

戦場の職人、夫丸

武田信玄は自国に沢山の鉱山職人を抱えていました。とある城攻の際、信玄は城の真下まで伸びるトンネルを創りそこから兵を雪崩れ込ませて、城を落とす方法を取ったことがあります。その際に素早く、静かに工事を慣行したのがこの鉱山職人だったのです。

こいういった、農民、夫丸の仕事は、将達の武勇伝など華々しいエピソードの裏に隠れてしまい、軍の中で、いかに重要な仕事をこなしていたのかがあまり表にでてこないようです。

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