壊されても、また造るたくましい農民。
農民達が一生懸命育て大事にしているのが、言うまでもなく、農地なわけですが、まず敵国にターゲットにされるのが、この農地や人々の財産です。
略奪して、馬の餌、兵糧の足しにしたりします。略奪こそが武士ではない下級兵達のモチベーションであったからだ。国内が戦場になると、農村は見るも無残な状態に成り果てます。
しかし、もし敵国がそこを制圧した後、国内はボロボロになっているはずなのだが、それでもこういった略奪を決行し将達は黙認します。その後の復興が大変なのにもかかわらず、なぜなのでしょうか?
これはまず、兵士達、特に武士階級にない者達への不満回避方法(ガスぬき)であるのと、上にも書いたが、下級兵の報酬はこの現地での略奪こそが収入であったからだ。
そして、まずは勝たないといけないので、敵地の生産活動を低下させることにより、弱らせます。武力衝突するよりも、このほうが自国の損害を抑えることができるからです。
ちょっとひどい話かも知れませんが、食うか食われるかの世界。勝つためにはどんな方法も使います。こういった農村の破壊、非戦闘員へ対しての乱暴狼藉は、当時は立派な軍略として扱われていたのです。
農村を破壊されることにより、まず食べ物がなくなります。食べる物がなくなることが人間一番つらく精神的にもまいってきます。戦う気力どころか立つのも億劫になってしまでしょう。
国を瓦解させるのに、手っ取り早いのが、徹底した経済と生産活動の破壊なのです。その標的が農村となるわけです。
現在でも、国民が経済的に疲弊すれば、税収が悪くなります。
これは当時も同じで農民からの税収が悪くなれば、国人衆(武士階級の人々)達は立ち行かなくなり、領国経営に大きな支障をきたします。
戦争をする際、自国の消耗を最小に抑える為に、直接的な武力行使より、まず敵国を内側から崩壊させるのが最良なのです。
戦争のやり方は昔も近代も、さほど変わりがなく、やり口はとても非道で、真っ先に被害を被るのは、非戦闘員といのも同じです。農民はそれでも耕して植えて、耕して植えて生活していくしかないのです。
しかし、この農民こそが領国経営の根幹を担っている働き手で、領主や大名達は、国内が戦場にならないよう、最善を尽くすのです。
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