落ち武者狩り

敗軍の将の末路

月 桜

戦で大敗すると、軍は指揮系統が壊れ、各々がバラバラに逃げ始めます。よくクモの子が散るようにと言いますが、まさにこのことで、敗軍側の者は、たとえ戦場を脱出することができても、故郷に帰りつくまでは、地獄です。

明智光秀_02

土民が襲い掛かってきます。平時物語では、この落ち武者狩りの様子が描かれていて農民だけではなく、僧兵すらもこれに加わっていた様子が描かれています。

武装している兵隊はまさに金づるなのです。

戦の勝敗が決すると、戦場となった土地の者に、またたくまにその話はつたわり、今まで、山や、砦に身を隠していた百姓、土民達が敗軍兵を追う体制に出るのだ。

農民は死体からだけではなく、生きている敗軍の兵達にも群がります。もはや、統制された軍隊ではないので、ここぞとばかりに、襲い掛かるのです。農民たちは、自分達の地域が破壊されているので、戦場は怨嗟で渦巻いています。

失った損失をこの敗軍の兵達に払ってもらおうということです。

またこの落ち武者狩りは、戦場荒らしと違い勝者の側が、敗軍の将(討ち取るべき将)に懸賞金を出すので、公認行為なのです。そのため狩りの競争は激化し、逃げる側もそう簡単に国には帰れません。なにしろ、出会う人間はすべて敵という状況になります。

逃走中の将達に懸賞金がかかると、それまで主君に仕えていた者達まで、狩る側に回り主君の首や所持品を奪います。

落ち武者狩りにあってしまった有名な将といえば明智光秀ですが、彼も農民に見つかり竹槍で横腹を貫かれ、致命傷を負い自刃するに至ったそうです。

農民達は戦時下で、虫けらのごとく殺され、土地を破壊される等の乱暴狼藉にあう。このように状況が一変し、自分達が追う側、殺す側に回った時には遠慮がありませんし、その恨みが一気に爆発し、敗軍兵を見つければ我先にと襲いかかります。

農民達は土地の破壊、家族への殺人や誘拐に遭い、その恨みのエネルギーはすべて、この敗軍兵に向けられる事になる。

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農民
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