行軍中の軍隊。農民は近寄ってはだめ!

行軍する軍は危険。農民は気を付けろ!

月 桜

「太閤記」に明智光秀の軍が行軍中にその両脇で耕作をしている農民を殺して行軍したと記録がある。

農民達にとって国内が戦場にならない限りは、軍隊は甚だ迷惑な存在なのだ。同じ国内の人間ではあるが、身分には徹底した上下関係があり、戦時下になれば、軍の作戦は何よりも優先される。

軍の行軍のため、急な徴収(食料や人員)があったり、上の明智光秀のように、作戦の機密を守る為に農民等に目撃されると殺してしまうのである。

酷い話ではあるが、戦争を行うというのはそれだけ慎重に臆病なぐらい徹底して相手方に作戦の詳細を漏れないようにしなければならなかった。

国の存亡がかかる戦争はとにかく静かに早くに行動しなければならない。

行軍する軍は神経過敏状態。

軍は戦場へ向かう途上においては、基本は前軍、中軍、後軍の3部隊に分けて行軍する。前軍がさらに前方に斥候(せっこう)を出して進み、中軍が右左に斥候を出しながら行軍する。

仮に襲撃にあったとしても、前軍が襲われれば中軍がフォローして中軍が襲われれば前軍と後軍でフォロー、といったよな対応がとれ、合理的に対処できるからだ。

この行軍中に軍が恐れるのは、不意の襲撃もそうだが、もう一つ軍の組織編制を分析されてしまう事なのだ。例えば、本陣の内容であったり、小荷駄隊(詳しくは⇒この記事)の編成や場所、軍の人数等の情報を知られてしまうと、実際の戦闘になった時に戦況が悪くなる。

上の明智光秀の例だけを見ると、なんとも理不尽に思えるが軍を守る為の行動であるのだ。

行軍を目にした人間は情報の詳細を他国に売ったり、あるいは農民の格好をした密偵である可能性がある。

軍の主将はこういった事ににこれでもかというぐらいに慎重に敏感になっている。基本すべてを疑ってかかっているので、こういった場所に無用心に近づくのは危険なのだ。

農民達は国が不穏な状態になってくると、身を守る為に警戒しなければならなかった。あらぬ嫌疑を懸けられる恐れがあり、ぼけーっとしていると最悪味方に殺されてしまうからだ。

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