農民のせめてもの抵抗
国内が戦場になり、敵が雪崩れ込んでくると、農民は砦や山に避難を始めます。雪崩れ込んで来る兵隊達は、住処を荒らし焼き払ったりします。
農民は持てる限りの物を持って逃げるのですが、限界があります。
特に家財道具なんかは、そうそう簡単に持ち運べないので、地面の中に埋めたりして、逃げるのです。
ただ、略奪兵には農民が多く混ざっているので、同じ農民のやり口は重々承知していて、掘り返えされてしまう。
また家を焼き払われたりするので、その熱で隠した物が使い者にならなくなることが多いため、家外の木陰等に埋めたり、発見されづらい場所に隠していました。
逃げるしかない農民達は、略奪兵にせめてもの抵抗として、井戸に人糞(だら)を混ぜて井戸水を飲めば病気になるようにしていました。そのため兵達は敵地で井戸水をそのまま飲むことは無かったのです。
川水なんかも同様で死体や人糞などが流れているため、不衛生でとてもそのまま、飲むことはできないので、兵達は消毒薬を持参しており、それを使い水を温めて消毒して、水を確保していたよです。
農民達は自分達の土地を守るため最善の努力はするのでしょうが、やはり武装した正規軍相手ではたかがしれています。長年育ててきた耕作地は、敵方によってあっという間に荒らされてしまうのだ。
下級兵達はこの略奪をする為に命を懸け戦っている為、いざ敵地で集落や農村をみつければ、いなごの群れのごとく、集まってきます。
国内が戦場となってしまっては、もはや農民達に出来る事はたかがしれていて、ただただ土地が荒らされるのを、傍観せざるえなかったのです。
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